歯科治療において、痛くなく治療すると言うのは治療を行う歯科医にとっても、治療を受ける患者さんサイドにとってもとても重要なことです。注射による麻酔ももちろん健康保険がききますが、注射を行う時に痛みを伴います。しかし笑気ガス麻酔を使用すれば吸うことによって麻酔効果が出るので使用する時に痛みはありません。
一般に笑気ガス麻酔を使用した場合の一部負担金は3割負担で800円〜1200円前後のことが多いです。
高齢者の方では1割負担もありますのでここでも一部負担金に差が出てきます。
健康保険は全国一律と言われていますが笑気ガス麻酔に関しては若干ですが、差が出てしまうことがあります。
1.使用する酸素と笑気ガスの購入価格が若干異なるため
離島などでは特に酸素と笑気ガスに差が出ますが、一般的な歯科医院においても購入価格に若干差があるのでその購入価格によって差が出てしまうのです。
2.使用する時間によって保険点数が異なる
笑気ガス麻酔を使用する時間によって、保険点数がことなります。
短い時間で行える笑気ガス麻酔であれば、一部負担金は3割負担で800円以下のこともありますし時間がかかる処置であればもっと高額になることもあります。
そのため、下あごの親知らずの難しい抜歯など時間がかかる処置においては上記の金額よりも高くなってしまいます。
3.笑気ガス濃度の使用濃度によっても異なる
笑気ガス濃度は概ね30%前後で使用することが多いです。
しかし、実際に使用する時は患者さんに笑気ガス麻酔の効き具合を聞きながら行う事もあります。
30%くらいの笑気ガス麻酔濃度では効果が強すぎると言われる事もあるのでその場合は20%で使用する事もあります。
笑気ガス麻酔の使用に慣れてきても体調などによって効果が強すぎると言われることがあります(少数ですが)。
そのために濃度の微調整が必要な場合もあるのです。
逆に笑気ガス麻酔の効きが悪いと感じる人は40%の濃度で使用する事もあります。
これらの濃度の違いも保険点数に反映されますので若干の誤差が出ますので注意が必要です。
4.笑気ガス麻酔の便利な点と使ってはいけない場合について
歯科で使用する圧倒的に多い麻酔は、注射による局所麻酔です。
注射による麻酔の良い点は、アレルギーがある患者さんに対して特に痛みを伴う処置で一定時間に痛みを感じる事無く処置を行えることです。
しかし、注射を行う時にいくら表面麻酔をしようが針のない麻酔(シリジェットと呼ばれる機械)を使用しても若干の痛みを感じます。
また麻酔がきれてくる頃に痛みを伴うこともあるので(その為、多くの歯科医院では鎮痛剤で対応することが多いです)、上手に使用しても不快症状が出ることがあります。
その点、笑気ガス麻酔は鼻から吸うことによって麻酔効果を発揮するので麻酔を行う時に痛みはないですし、吸うことを辞めれば速やかに麻酔から覚める非常に便利な麻酔です。
また、歯を削る音(キーンという音ですね)もこの笑気ガス麻酔を使用すると少なく感じます(歯科麻酔の教科書的には音などが遠くに聞こえると書かれています)。
歯科治療恐怖症の方にも使用できて、リラックス効果もあります。
さらに注射による麻酔を使用する場合でも、針を刺す時の痛みが少なくなるという利点もあります。
ただし、絶対に使用してはいけない場合もありますので、その場合は使用しないようにしましょう。
絶対に使用してはいけない場合にかんしてはこちらに詳しく説明しています。
また、笑気ガス麻酔を使用するとお酒に酔ったような感じになるのでそのような感覚が嫌いな人は使用しない方が良いでしょう。
精神的要因が強い人にも効果が薄い場合や強力な効果と感じる方もいるので、その様な方は使用を控えた方が良いかも知れません。
まとめ
笑気ガス麻酔は健康保険も効いて非常に有用な麻酔方法です。費用も使用時間、笑気ガス麻酔の濃度によって異なりますが、概ね1000円前後で使用できます。歯科治療に対する恐怖心も和らぎますので大きな利点があります。
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